あなたは、”スナップスロー”を選手に教えられますか?
一見、手首が一番のキーポイントに思われがちですが、実は手首(末端)の使い方を意識するだけでは、スナップスローをマスターできません。
今回は、身体運動学やトレーニング学に精通し、自ら高いパフォーマンスを体現するベストパフォーマンスコーチの二神が正しいスナップスローのコツをお伝えします。
スナップスローとは
スナップスローは通常の投球動作と異なり、準備時間がなく、一瞬で素早く投球する動きです。
テイクバックを取らずに素早い投球動作をするために必要なのが、手首ではなく体幹の動きです。
一瞬のうちに体幹の”ひねり”を生むことで、ひねり戻しの作用により末端を走らせ、素早く投球動作が出来るようになります。
ここで 、体幹ではなく手首を意識してしまうと、末端に力が入りうまく走らせることが出来ません。体幹の力が十分に末端に伝わらず、結果、投球動作が遅くなってしまいます。
以上のことから、スナップスローが上手くなるためには末端を加速させるための”体幹力”がカギとなります!
スナップスローの練習方法
スナップスローの練習には、両脚閉じアンダースローがオススメです。
私が両脚閉じアンダースローを勧める理由としては、以下の2つがあります。
1) 両脚を閉じることで”体幹を上手く使わないと投げられない”という刺激が脳に入る。
2) 腰より下で投げるため、重力を活かし腕が力みにくく末端を走らせる感覚を掴みやすい。
下の動画の0:49あたりから、両脚閉じアンダースローの実演をしていますので、動きを真似て実践してみてください。
両脚閉じアンダースローで投げられるようになったら、少しずつ腕の位置を上げていきます。
腕の位置を上げてもアンダースローと同じ感覚で末端を走らせることが出来れば、フィールディングでのスナップスローも上手になっているはずです。
ただし、スナップスローを使うためには体幹の柔軟性が重要です。
あまりにも体幹が硬い場合、上記の練習だけではスナップスローをマスターできません。
体幹が硬い場合の対処法
体幹が硬い場合は、体幹ストレッチ等で柔軟性改善を目指します。
できるようにしたい動きは、以下の4つ。
・伸展
・側屈
・ズラし
・回旋
いずれも、スナップスローに限らず野球パフォーマンスアップのためには欠かせない動きなので、まんべんなく習得しましょう!
この4つの動きのトレーニング方法は以下で説明します。
体幹のストレッチ
伸展(ベンチフロントドラッグ)
目的:体幹を引っ張る意識づくり
Step1.ベンチの上縁に肩甲骨の下付近を当てて、脚を前に出す
Step2.両手を組み、腕を伸ばす
Step3.お腹から手までを遠くに引っ張りながら、体重を後ろにかけます
※骨盤から足までで地面を強く踏むこと
※お腹から真上に引っ張ること
側屈
目的:体幹側面を引っ張る意識づくり
Step1.正座で座り、伸ばす方の手を後頭部にあてる
Step2.体重を伸ばす側に乗せ、ゆっくりと口から息を吐きながらタテに脇腹を伸ばす
Step3.伸ばしきったら鼻から息を吸いながら元の姿勢に戻る
※身体を横に倒すというよりは体幹の側面を引き延ばすイメージで実施します。
ズラし
目的:体幹をズラす意識づくり
動画では速いスピードで繰り返していますが、慣れてないうちは片方ずつゆっくりと息を吐きながらズラしていくと良いでしょう。
Step1.ゆっくりと口から息を吐きながら、胸とお腹を分離するイメージで、水平方向へ平行を維持したままズラしていきます。
Step2.ズラしきったら、鼻から息を吸いながら元の姿勢に戻る
回旋(リバーストランクツイスト)
目的:体幹水平面(回旋)の意識づくり
Step1.仰向けで膝を立てる(両手は真横に開く)
Step2.ドローイン状態を作る
Step3.膝間をくっつけ、膝90°で脚を上げる(膝をくっつけると身体に縦の軸ができることを感じる)
Step4.胸(肩甲骨)から上を地面につけながら、お腹をひねる
※戻す時は、伸びている場所をさらに伸ばすイメージで
※体幹部を縦に引っ張りながら動かすイメージ
※腰を反らない
スナップスローが上手く出来ないなら
スナップスローは、体幹主導による素早い投球動作です。
スナップスローが上手く出来ない場合、手首に意識が向きすぎて連動性が損なわれている可能性があります。
まずは両脚閉じアンダースローを試してみて、それでも変わらなければ上記のトレーニングで体幹の柔軟性を高め、スナップスローを自然にできるような体づくりをしましょう!
二神幹アスリート研究所では、”動き作り”に特化した指導をしております。
体幹が柔らかくなったけどイマイチ動きが分からない、パフォーマンスに繋げられないという選手には、段階的なドリルの実践によって理想的な動き作りをしていく必要があります。
今回、紹介したトレーニングはあくまで一例で、実際には一人一人の状態に合わせて柔軟なアプローチを用います。
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