バッティングで身体が開く時の対策とは

どうも、身体を作り替えたらホームランを量産できるようになった、ふたがみです。

 

バッティングで『開いてるぞ!』とか『開くな!』などと指導を受けたことのある野球選手は多いはず。

この記事を読んでいるあなたも、同じような事を言われて悩んでいるのではないでしょうか?

 

結論からいうと、バッティングでの開きについては『改善可能』です。

でも、本当の意味で開いてしまうスイングを直すためには、知っておかなければならない前提があります。

 

それを知らずに小手先の方法論だけで実践してしまうと、自分のバッティングが崩れて終了〜。

なんてことになりかねません。

 

今回は、某名門大学でトレーナーとして活動している私が、バッティングで開いてしまう本当の理由と改善方法について解説していきます。

 

 

知っておくべきこと…『開く』とは?

バッティングで「開いてる」と言われてからやるべきことは

そもそも開くとは何なのかを学ぶことです。

 

これを初めにやらなければ、間違った方向に進んだまま結局何も改善されないなんてことになりかねません。

ですので、ここでは 開くとは何か?をお伝えしていきます。

 

…と、その前にあなたはこの動きは出来ますか??

 

開いてしまう選手の多くは、この動きが出来ません。

出来ない理由は複数ありますが、その一つは力の使い方がおかしいから。

 

力の伝え方がおかしいと『地面反力』をうまく使えないので開きます。

 

 

地面反力を使えないとは

地面反力とは、スポーツにおいて地面と接地している脚が踏み込んだ際に生まれる力のことです。

 

バッティングにおいては、体重移動をして投手側の脚を踏み込んだ際、体幹がねじり戻されてバットが加速していく局面を作り出しています。

 

先程の足閉じスイングをした時、地面反力が使えない選手は腰を回そうとしたり、腕力に頼ってバットを振ろうとします。

 

つまり、地面反力を使えず、開く動作でバットを出そうとしてしまうのが開きです。

 

 

なぜ地面反力を使えないか

さて、注意して欲しいのが「地面反力を使え!」と言われても急に使えるわけではない。

ということです。 

 

なぜなら、そもそも身体の状態が整っていなければ使いたくても使えないから。

うまく地面反力を使えない選手の身体の特徴として、以下のようなものがあります。

 

体幹がカチカチで動かない

体幹部の柔軟性が足りないと、打撃での地面反力をうまく活かせません。

 

なぜなら、体重移動をしていく際に割れが作られず、投手側を踏み込んだ段階で胸が投手を向いてしまうからです(この状態も開いている、と定義されることがあります)。

 

こうなると、せっかくの踏み込んだ力が上手くバットに伝わらないので、先に述べた「腰を開く」「腕の力に頼る」といった代償動作が生じます。

 

(もし、これを意識的に改善しようとして無理矢理割れを作ろうとすると、今度はバットが出てこなくなります)

 

 

体幹が弱い

体幹が弱くても、地面反力を上手く使えません。

先程の「体幹がカチカチで動かない」の話と矛盾するようですが、体幹の筋力がない方が良いというわけでは無いのです。

 

理想としては『十分な柔軟性を備えた上で、必要な時には強く収縮できる』のがベスト。

柔らかいだけの体幹だと、地面からの力をバットに伝えられません。

 

ですので、体幹においては柔軟性とパワーを両立させる必要があることが分かります。

これ以外にも様々な要素がありますが、長くなってしまうのでここでは省略します。 

 

※選手によっても課題が異なります。気になる方は二神幹アスリート研究所で動作解析を行っておりますので、LINE公式アカウントよりご確認ください。

 

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開かないためにやるべきこと

ここからは、バッティングで開いてしまう選手が取り組むべきトレーニングの一部を紹介します。

(本来であれば、一人一人の身体と動きを見て、意識とのすり合わせをしながらやる必要がありますが、あくまで例として…)

 

体幹部のストレッチ(例)

目的種目スピード負荷回数セット動きポイント/注意点
1A大胸筋の柔軟性大胸筋ほぐし--10往復2~3うつ伏せでストレッチポール(SP)をコロコロ動かしながら胸をほぐし。徐々にコロコロの範囲を大きく。
B広背筋・前鋸筋の柔軟性広背筋・前鋸筋ほぐし--10往復2~3横向きに寝て、脇腹をSPでコロコロほぐし。徐々にコロコロの範囲を大きく。
C胸椎の柔軟性バンザイストレッチ①(SP横)静的-20sec.2~3①SPを横にして、その上に仰向けになる。②肩甲骨の下付近に当てて、両手を頭の後ろで組み、リラックス。・下腹部から胸を遠くへ引き伸ばす意識。・鼻から吸って、口から吐く(肋骨締めながら)。・腰を反らないように注意。
D胸椎の柔軟性バンザイストレッチ②(SP横)バウンド-302~3①SPを横にして、その上に仰向けになる。②肩甲骨の下付近に当てて、両手を頭の後ろで組んで伸ばす。③胸を中心にポンポンバウンドさせる。・下腹部から胸を遠くへ引き伸ばす意識。・鼻から吸って、口から吐く(肋骨締めながら)。・腰を反らないように注意。
E胸椎の柔軟性バンザイストレッチ①(SP縦)静的-20sec.2~3①SPの上に仰向けになる。②両手を組み、頭の上に伸ばす。・胸を中心に下腹部から手までを遠くへ引き延ばす意識。・鼻から吸って、口から吐く(肋骨締めながら)。・腰が反らないように注意。
F胸椎の柔軟性バンザイストレッチ②(SP縦)バウンド-302~3①SPの上に仰向けになる。②両手を組み、頭の上に伸ばす。③胸を中心にポンポンバウンドさせる。・胸を中心に下腹部から手までを遠くへ引き延ばす意識。・鼻から吸って、口から吐く(肋骨締めながら)。・腰が反らないように注意。
G胸椎・肩甲骨の柔軟性肩回しストレッチ(SP縦)ゆっくり-102~3①SP上に仰向けになり、両手を頭の上で伸ばす。②胸を中心に、両手で円を描くように肩甲骨を動かす。③上下に往復。・胸を中心に両手を遠くへ伸ばしながら動かす意識。・鼻から吸って、口から吐く(肋骨締めながら)。・腰が反らないように注意。
H胸椎・肩甲骨の柔軟性プルダウン(SP縦)ゆっくり-102~3①SP上に仰向けになり、両手を頭の上で伸ばす。②胸を中心に、肩甲骨で円を描くように肘を下げてくる。③上下に往復。・胸を中心に両肘を遠くへ伸ばしながら動かす意識。・鼻から吸って、口から吐く(肋骨締めながら)。・腰が反らないように注意。
I胸椎・肩甲骨の柔軟性ディップス(SP縦)ゆっくり-102~3①SP上に仰向けになり、両手を下に伸ばす。②胸を中心に、肩甲骨を寄せたまま、弧を描くように肘を上げる。③肩甲骨を寄せたまま、ゆっくり戻す。・肩甲骨は動かさないで肘を遠くに引き離すイメージ。・鼻から吸って、口から吐く(肋骨締めながら)。・腰が反らないように注意。
J胸椎・肩甲骨の柔軟性肩内外旋(SP縦)ゆっくり-102~3①SP上に仰向けになり、両手を身体の真横に持ってくる。②肘を曲げて、地面に着け、親指を上にする。③肘を軸にして、肩甲骨を寄せたまま、肩を内外旋させる。・胸を中心に両肘を遠くへ伸ばしながら動かす意識。・動きは大きくするが、肩の中を小さく動かす意識。・鼻から吸って、口から吐く(肋骨締めながら)。・腰が反らないように注意。
2A体幹前後の刺激腹筋曲げ伸ばし(椅子 or 正座)ゆっくり-101①両膝揃えて椅子or正座になり、両手を伸ばして膝につき、リラックス。②骨盤主導で口から吐きながら腹筋を丸めて、鼻から吸いながら伸ばす。③できるだけ肩の位置は動かさないように。・動きは大きくするが、使う筋肉を一つずつ小さく動かす意識。・特に伸ばす時は、腰を反るのではなく、腹筋を伸ばす意識。
B体幹前後の刺激+下肢の連動腹筋曲げ伸ばし(長座)ゆっくり自重102~3①両脚揃えて長座になり、両手を身体の後ろにつき、リラックス。②骨盤主導で口から吐きながら腹筋を丸めて、鼻から吸いながら伸ばす。③できるだけ肩の位置は動かさないように。・動きは大きくするが、使う筋肉を一つずつ小さく動かす意識。・特に伸ばす時は、腰を反るのではなく、腹筋を伸ばす意識。・慣れてきたら、腹部を凹ませながら行う。
C体幹筋の刺激腹筋スライド(椅子 or 正座)ゆっくり自重101①両膝揃えて椅子or正座で両手を腰に置き、姿勢は真っ直ぐに。②姿勢は保ちながら肋骨を交互に横にスライドさせる。③スライドさせるときに口から吐き、戻す時に鼻から吸う。・お腹の横付近から大きくスライドさせるが、 身体の中を小さく動かす意識。・肩に力を入れないように注意。
D腹側筋の刺激腹筋横の引き上げ(椅子 or 正座)ゆっくり自重各10回1右側の場合①両膝揃えて椅子or正座になり、右手を頭に当てて、リラックスさせる。②右股関節に乗せる→Dの右スライド→右側腹部を真上に引き上げる。③口から吐きながら②、鼻から吸いながら戻す。左も同様に。・動きは大きくするが、使う筋肉を一つずつ小さく動かす意識。・身体を横に倒すのではなく、やや斜め上に引き上げる意識。・慣れてきたら、腹部を凹ませながら行う。
E腹側筋の刺激+下肢の連動腹筋横の引き上げ(膝着きランジ姿勢)ゆっくり自重各10回2~3右側の場合①膝着きランジ姿勢になり、右手を頭に当てて、リラックスさせる。②右股関節に乗せる→Dの右スライド→右側腹部を真上に引き上げる。③口から吐きながら②、鼻から吸いながら戻す。左も同様に。・動きは大きくするが、使う筋肉を一つずつ小さく動かす意識。・身体を横に倒すのではなく、やや斜め上に引き上げる意識。・慣れてきたら、腹部を凹ませながら行う。
F体幹回旋筋の刺激腹筋捻り(椅子 or 正座)ゆっくり自重左右101※右側の場合①両膝揃えて椅子or正座になり、左手を右足の横に当てる。②右足に体重を乗せて、下腹部主導で身体をひねる。③左の場合は逆になる。ひねる時は口から吐きながら。・動きは大きくするが、腹筋の中が伸びるように小さく動かす意識。・腹部を凹ませて、リラックスさせながらひねると良い。・腰を使わないように注意。
G体幹回旋筋の刺激+下肢の連動腹筋捻り(開脚座位)ゆっくり自重各10回2~3※右側の場合①開脚座位になり、右手を身体の後ろに着く。②右股関節に乗せる→Dのスライド→左手伸ばし股関節主導で捻る。③口から吐きながら②、鼻から吸いながら戻す。左も同様に。・動きは大きくするが、腹筋の中が伸びるように小さく動かす意識。・慣れてきたら腹部を凹ませて、リラックスさせながらひねると良い。・腰を使わないように注意。

 

体幹トレーニング

ドローイン 

 

クランチ 

 

クローズドバックエクステンション

 

リバースサイドクランチ 

 

 

本当の意味で上達したいのなら

野球の指導をする際は技術論ばかりに目がいってしまいがちですが、それだと本質的な動作改善やパフォーマンスアップには繋がりません。

 

いわゆるセンスのいい選手は、身体操作が優れています。

彼らが野球だけじゃなく、そのほかの競技をやらせても上手くこなせるようになるのは、そもそも身体が整っているからです。

 

もし、今あなたが野球が上達せず悩んでいるのであれば、優先順位を見直してみる必要があるのかもしれません。

 

二神幹アスリート研究所では、野球選手のパフォーマンスアップのお手伝いをしています。

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