ピッチングでしなりが出ない!そもそも正しいしなりを理解していますか?

 

しなりが足りないと言われた

球速が出ないのは、しなりが足りないからかも

・指導者に教えてもらうけど、上手くいかない。

・しなりを出そうとしたら肩が痛くなった

 

このような悩みはありませんか?

しなりが上手く使えるようになれば、パフォーマンスはアップします。

 

でも、間違った認識でしなりを出そうとしてしまうと、下手になるどころか怪我にもつながります。

 

今回は、解剖学や運動生理学に精通し自らも高いパフォーマンスを実現しているトレーナーである二神が、正しいしなりの知識と、トレーニング方法について紹介します。

 

 

 

しなりとは

投球における各フェーズの中で、いわゆるトップからリリースに至るまでの間に見られるしなりを「最大外旋(MER:Maximum External Rotation)」と呼びます。

 

最大外旋というと肩関節だけの運動にも思えますが、実際には主に以下の3つの動きが組み合わさってMERを作り出していることに注意。

 

最大外旋を構成する動き

・肩甲上腕関節(肩関節)外旋

・肩甲骨後傾、上方回旋

・胸椎伸展

 

投球動作でのMERの角度について調べた研究では、肩関節の外旋角度が一番大きいものの、肩甲骨後傾胸椎伸展も角度を作り出していることが分かっています。

 

「肩最大外旋角度は149.6±9.5°であり、その時の肩甲上腕関節外旋角度は102.7±17.4°、肩甲骨後傾角度は25.1±14.2°、胸椎伸展角度は9.7±6.6°であった。」

投球動作の肩最大外旋角度に対する肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001205567786752および胸椎の貢献度 2007 宮下ら

 

肩甲上腕関節(肩関節)外旋とは

投球動作における肩関節の外旋は、いわゆる2ndと言われる体側での肩関節水平外転状態(腕を真横に水平まで挙げて、肘を曲げた状態)からの動きです。

 

肩甲骨後傾、上方回旋とは

(なぜか四つん這いですが、肩甲骨後傾を表せるイラストがこれしか無かったからです…イラストACに感謝)

 

肩甲骨後傾は、肩甲骨が後ろに傾くような動きと思ってください。

実際には斜め上に開く、上方回旋という動きも入っています。

 

胸椎伸展とは

身体の前側が固くなっていたりすると、反りにくくなります。

胸椎伸展は、いわゆる後ろに反る動き。

 

 

形だけのしなりは無意味

しなりと聞くと、肩甲上腕関節(肩関節)だけでしなりを出すイメージがあるようです。

ですが実際には、肩関節だけでしなりを出すと怪我につながります。

 

投球動作は全身の筋肉の協調が重要ですので、どこか一箇所を「必要以上に動かす」ようなイメージを持っただけで連動性も低下させかねません。

 

無理矢理、胸の張りを作るようなこともNGです。

 

 

しなりを身につけるために

ピッチングにおける「しなり」が出てくるためには、以下の2つの要素が必要です。

 

・適切な身体の状態

・体幹主導

 

適切な身体の状態じゃないと

何よりも大切なのは、身体の状態が整っていること。

整っていない。とは全身の柔軟性と筋力のバランスが崩れている状態です。

 

まず、そもそも身体が硬いとしなりが出ません。

代表的なものとしては「胸郭周辺の筋肉が硬い」という状態があります。

 

例えば、猫背の選手の場合、僧帽筋の収縮により肩甲骨が挙上、前傾しているためしなりの邪魔をします。

 

猫背だと上手そうに見えなくなります。

 

この状態を改善しなければ、練習をしても無駄になります。

ですので、まずは自分の身体がどんな状態なのかを知るところから始めましょう。

 

体幹主導が正しいしなりを生む

良いしなりを出せる選手は、基本的に体幹主導の動きができます。

 

例えば、テイクバックからボールリリースに至る中で胸郭を中心に動きが出て、腕はそれに追随しているだけ。みたいな状態です。

ですので、肩から先は脱力状態を作り、体重移動をするだけで勝手にしなりが出るのです。

 

テイクバックの動きはブラックボックスなどと言われますが、「しなりを出さなければ」などと腕を不必要に意識してしまった時点で体幹主導が損なわれ、逆にしなりが出なくなるわけです。

 

まとめ

今回はピッチングにおけるしなりについて見てきました。

しなりは肩から先だけの動きではなく、胸椎や肩甲骨の動きも関わっています。

 

注意して欲しいのは、見た目の動きが意図的に作りだすのではなく、体幹主導の動きにより結果的に「そうなる」のだということ。

 

ですので、しなりが足りないなどと指摘をうけた際には小手先で修正しようとしてはいけません。

 

身体の状態はどうなのか?

どのような動作イメージを持ってるのか?

実動作とイメージとのズレが起きていないか?

 

このように様々な要素を観察して、改善策を打っていくことになります。

大事なことは、私のような専門知識をもったトレーナーに見てもらい、客観的な意見をもらうこと。

 

自分では出来ているつもりでも、実は出来ていなかった。

このような気づきを得るだけでも前進します。

 

二神幹アスリート研究所では、一人一人の悩みに寄り添ったメニューを提供していますので、気軽にご相談ください。

 

 

本当の意味で上達したいのなら

野球の指導をする際は技術論ばかりに目がいってしまいがちですが、それだと本質的な動作改善やパフォーマンスアップには繋がりません。

 

いわゆるセンスのいい選手は、身体操作が優れています。

彼らが野球だけじゃなく、そのほかの競技をやらせても上手くこなせるようになるのは、そもそも身体が整っているからです。

 

もし、今あなたが野球が上達せず悩んでいるのであれば、優先順位を見直してみる必要があるのかもしれません。

 

二神幹アスリート研究所では、野球選手のパフォーマンスアップのお手伝いをしています。

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