「バッティングでは手首を返さない」では無意味!メカニクスの観点から見る、正しい認識とは

 

今回は「手首をこねてしまう原因と直し方」について見ていきます。

 

はじめに言っておくと、この動画の内容は、まだ他に発信している人は多くいません。

ですが半永久的に変わらない原理原則を話しますので、ぜひ参考にしてください!

 

結論としては、手首を早く返してしまうのは良い動作ではありません。

でも、それを直すために「手首を返すな」という言葉を使うのはナンセンスです。

 

「脇をあけて振れ」

「手首の角度を維持したまま振れ」

 

↑このような声かけも不正解です。

 

表現を変えただけで、やってることは同じな指導をしても変わるわけないじゃないですか。

 

この話をすると「意識して取り組めば、そのうち出来るようになるはずじゃないか」という意見も聞こえてきますが、これも間違いです。
間違った力の伝え方を繰り返したら、かえってエラー動作が染み付いてどんどん下手になるというまさに泥沼なんです。
 
危険ですので、いますぐやめましょう。

 

 

バットが早く返ってしまう(こねてしまう)本当の原因

バッティングでこねてしまう本当の原因、それは「本来動くべき場所が動かない」からです。

具体的にどこかと言えば、特に「胸」

 

この部位が動かなくなると、こねるスイングになりやすくなります。

これだけ聞いてもイマイチぴんとこないかもしれませんので、わかりやすく解説していきますね!

 

フォロースルーに勢いがあるスイング
ふたがみ
胸が回らず、フォロースルーの勢いが止まっている
ある選手

この画像を見比べて見ると分かりますが、僕はスイングの勢いがインパクト後も強いのに対し、もう一つの動画のスイングは勢いが死んでいます。

こちらの選手は胸とお腹が分離できていないため、お腹が止まれば胸から上も止まってしまいます。

そのため、トップハンドが身体の回転を追い越してしまい早い段階でコネていますね。

 

この選手と僕との身体の違いは他にも沢山あるんですけれども、この時点では「胸から上の動き」がカチカチなのが大きな差です。

胸椎の説明。この部位が回らないとスイング軌道が作れない

 

基本的にお腹の部分は、構造上あまり回転しない部位です

ここと胸が一体化してしまうと胸から上の回転も出ないわけですね。

 

ですので、コネてしまう選手に対しては「胸から上が左右にどれだけ回るか」をチェックするところから始めましょう。

 

 

手首を(早くに)返してしまうスイングの改善方法

先程の話を踏まえて、スイングの改善方法をお伝えします。

 

身体が動かない状態ではいくらスイングをしても直らないわけですから、柔軟性、可動域が足りない場合は一旦バットを置きましょう。

 

その上で、体幹の動きをよくしていくストレッチを入れていくわけです。

 

 

肝心のストレッチ自体はいろんな方法がありますが、↑の記事で掲載していますので参考にやってみてください。

 

 

体幹ストレッチをする際の注意点

なお、体幹部のストレッチをする際に「これをやらないと効果半減しちゃうよ」という注意点があります。

 

それは何かというと「ドローイン」

 

ドローインとは、呼吸をコントロールしてお腹を引き締めるトレーニングで、主に「腹横筋」というインナーマッスルにスイッチが入ります。

腹横筋と腹斜筋など。特に腹横筋が使えないと安定性が欠ける。

 

お腹を締めることで、胸から上を分離しやすくなります。

体幹ストレッチで伸ばしていく際は、必ず口から息をゆ〜〜〜っくり吐きながら行ってください。

 

ドローインが出来れば、体幹も安定する

そもそも体幹を安定させる力がない場合も、胸から上の動きが悪くなるんですよね。

 

体幹の安定性と柔軟性がないことで、スイングの始動を身体の中心から起こせず、腕力に頼ってしまうため、おかしなスイングになってしまうんです。

 

ドローインは体幹筋の中でも、特に体幹の安定に深く関係している腹横筋を鍛える練習でもありますので、絶対できるようにした方が良いです。

 

バットの使い方

さて、先ほど…

「スイングの始動を身体の中心から起こせず、腕力に頼ってしまうため、おかしなスイングになってしまう」

と書きました。

 

結局のところ、コネてしまうのは「体幹主導」ができていないからです。

 

ウチから外への出力ができない。

そうなると腕力に頼らざるを得ない。

 

ですので、いかに腕の意識を減らして、体幹主導でスイングできるかが鍵です。

 

というわけでここからは、体幹主導のスイングを行うドリルを紹介します。

両足を閉じて、スイングをしてみてください。

 

両足閉じスイングの例

 

ここまで話した体づくりができていれば、脚を閉じても地面を踏むことによる地面反力により力が伝わり、バットを走らせることができます。

 

今まで腕力に頼って振っていた場合は難しく感じるかと思いますが、練習していると少しずつ感覚を掴めるようになります。

 

なお、腕力に頼ると以下のようなスイングに。

普段から早く返してしまう傾向にある選手は、初めはこうなってしまうはずです。

 

腕力に頼ると、こんなスイングになります。

 

このドリルをやってから、通常スイングでも同じ感覚で振れるようになれば、タイミングが合わない原因である悪いスイングはだいぶ改善されます。

(もちろん、前提として「適切に動く身体」を作っていく必要がありますが)

 

 

まとめ

今回は、バッティングで手首を早く返してしまう(こねる)問題について見てきました。

 

手首が早くに返ってしまう選手に対して小手先の指導をしても、根本改善には繋がらないということが分かったのでは無いでしょうか。

 

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今回の記事の内容は、動画でもっと分かりやすく解説しています

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