バッティングの際に”前に突っ込んでしまう”という悩みを持つ選手は多いです。
突っ込みを改善するためには「体重を後ろに残せ!」と言われることも多いですが、実は原因は“体重を後ろに残せていないこと”ではありません。
今回は、バッティングで前に突っ込んでしまう現象の原因と対処法について解説していきます。
前に突っ込むとは?
“前に突っ込む” = ”割れを作れていない” 状態です。
割れを作れない主な原因として考えられるのが、体幹の柔軟性不足です。
体幹の柔軟性があると、体重移動の際に自然にひねりが生まれ、トップが残ります。
ところが体幹の柔軟性が足りないと、体重移動の際に自然なひねりが生まれず、身体全体が丸ごと投手側に移動するような形になります。
これが、”前に突っ込む”の正体です。
※踏み出し脚に体重移動をすること自体は” 前に突っ込む”とは言いません。
前に突っ込むことの弊害
前に突っ込むと、投げられたボールの緩急に対応できず、様々な球種に対応できなくなります。
先述のとおり、前に突っ込んだ状態では体幹のひねりが生まれません。
ひねりが足りないと、身体全体ではなく小手先の力だけでバットを振るため、ミートポイントが小さくなってしまいます。
特に、自分の身体から離れた低めの変化球や外角の球に対応しづらくなります。
もしひねりが作れていれば、身体全体でバットを振ることができるためボールの軌道に合わせやすく、ミート率も上がります。
さらに、余裕を持ってボールを待つことができるため、流し打ちや意図的なファール打ち、スイングキャンセルなどもしやすくなります。
例として私のスイングを見てみましょう。
こちらの動画は、変化球をライト前に運んだ際のバッティングです。
体幹のひねりによって、上体はキャッチャー側に残したまま踏み出し脚に体重を移動し、割れを維持しています。そのため、バッティングのタイミングが少しずれても、ヒットにすることが出来ています。
このようにスイングの際に体幹のひねりが作れていれば、反対方向へも長打を打てます。
右中間にホームランした時の動画↓
前に突っ込んでしまう場合の対処法
突っ込みを改善するには、ひねりを生むための体幹の柔軟性が不可欠です。
体幹が硬いと、体重移動の際に身体が後ろに残ってしまい、体幹のひねりが足りず、小手先の力だけでスイングをすることになります。
上記を踏まえて、突っ込みを改善するために、まずは体幹ストレッチ等で柔軟性を獲得しましょう。
できるようにしたい動きは、以下の4つ。
・伸展
・側屈
・ズラし
・回旋
いずれも、野球パフォーマンスアップのためには欠かせない動きなので、まんべんなく習得しましょう!
この4つの動きのトレーニング方法は以下で説明します。
体幹のストレッチ
伸展(ベンチフロントドラッグ)
目的:体幹を引っ張る意識づくり
Step1.ベンチの上縁に肩甲骨の下付近を当てて、脚を前に出す
Step2.両手を組み、腕を伸ばす
Step3.お腹から手までを遠くに引っ張りながら、体重を後ろにかけます
※骨盤から足までで地面を強く踏むこと
※お腹から真上に引っ張ること
側屈
目的:体幹側面を引っ張る意識づくり
Step1.正座で座り、伸ばす方の手を後頭部にあてる
Step2.体重を伸ばす側に乗せ、ゆっくりと口から息を吐きながらタテに脇腹を伸ばす
Step3.伸ばしきったら鼻から息を吸いながら元の姿勢に戻る
※身体を横に倒すというよりは体幹の側面を引き延ばすイメージで実施します。
ズラし
目的:体幹をズラす意識づくり
動画では速いスピードで繰り返していますが、慣れてないうちは片方ずつゆっくりと息を吐きながらズラしていくと良いでしょう。
Step1.ゆっくりと口から息を吐きながら、胸とお腹を分離するイメージで、水平方向へ平行を維持したままズラしていきます。
Step2.ズラしきったら、鼻から息を吸いながら元の姿勢に戻る
回旋(リバーストランクツイスト)
目的:体幹水平面(回旋)の意識づくり
Step1.仰向けで膝を立てる(両手は真横に開く)
Step2.ドローイン状態を作る
Step3.膝間をくっつけ、膝90°で脚を上げる(膝をくっつけると身体に縦の軸ができることを感じる)
Step4.胸(肩甲骨)から上を地面につけながら、お腹をひねる
※戻す時は、伸びている場所をさらに伸ばすイメージで
※体幹部を縦に引っ張りながら動かすイメージ
※腰を反らない
まとめ
前に突っ込まないようにするには、突っ込まないように意識するのではなく、「何が原因か」を根本的に理解して、突っ込まない状態を作ることが大切です。
上記のトレーニングで体幹の柔軟性を高めて、前に突っ込まないスイングが自然にできるような体づくりをしましょう!
二神幹アスリート研究所では、”動き作り”に特化した指導をしております。
体幹が柔らかくなったけどイマイチ動きが分からない、パフォーマンスに繋げられないという選手には、段階的なドリルの実践によって理想的な動き作りをしていく必要があります。
今回、紹介したトレーニングはあくまで一例で、実際には一人一人の状態に合わせて柔軟なアプローチを用います。
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以下の動画でも、突っ込みについて解説していますので見てみてください。
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